第1回 組織・チームにおけるメンバーの役割

 近年、組織をマネジメントする人材の育成が重要になっています。IT技術の導入に伴い、それぞれの部署が行う業務の専門性が増し、高度化しています。従業員の国籍・価値観・雇用形態等が多様化し、多様な人材を一つにまとめるリーダを育成していく事が重要な経営課題となっています。管理職になるとそのリーダーシップを発揮する事が求められます。最近では、将来性を見越して、早期に管理職を育てる準備を行う会社も増えてきています。 その中で、第1回目は、組織・チームにおけるメンバーの役割を説明します。

 組織やチームには、「リーダー」・「リーダーの補佐役」・「メンバー」の3つの役割を持った人達で構成されています。この三者それぞれが、自身の果たすべき役割を果たして初めて仕事を達成する事ができると考えられています。

「リーダー」 : 組織の構成員を導いて仕事を達成する機能を持ち、この事について、「リーダーシップの発揮」や「リーダーシップ論」等、諸説解説されてきました。しかし、ここでリーダーを取り巻き支える人達に目を向けると、これら支えるメンバーがリーダーに対する貢献活動がなければ、リーダーはその力を発揮する事ができません。リーダーは、いかにメンバーから「貢献」・「支援」されるように「規範の遵守」・「知識の共創」等ができるかがポイントとなります。

「リーダーの補佐役」 : リーダーの考えをメンバーに伝える繋ぎ役となると同時に、リーダーとなる準備をする位置付けとなります。

「メンバー」 : リーダーと補佐役の双方を支える組織やチームの基盤となる人材です。この意味において、メンバーから機能分化した人がリーダーや補佐役であると考えられます。(リーダーも補佐役も元々メンバーであった)メンバーは、単独で存在する人材ではありません。リーダーによる「リーダーシップ(適切で的確な影響力)」と、リーダーに対する各人の「フォロワーシップ(リーダーの補完力と解釈・翻訳力)」があいまって、メンバーは力を発揮する事ができ、チームワークによる相乗効果が生まれるものなります。